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2020年の第163回『芥川賞』『直木賞』受賞作品をご紹介

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2020年の第163回『芥川賞』『直木賞』受賞作品をご紹介

芥川賞受賞作品(新進作家による純文学の中・短編作品)

『首里の馬』高山 羽根子/新潮社

受賞作、首里の馬は、沖縄を舞台にした不思議な物語。
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!!ネタバレ注意!!

主人公未名子は、オンライン通話で遠くにいる人にクイズを出すという風変わりな仕事をしている傍ら、沖縄の歴史資料館で手伝いをしていた。
歴史を記録し、記憶していく事の大切さを描いた意欲作です。

『破局』遠野 遥/河出書房新社

初ノミネートで受賞。
2019年『改良』で第56回文藝賞を受賞しデビュー。
「私」を阻むものは、「私」自身にほかならない。
ラグビー、筋トレ、恋とセックス。
ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフを描いた作品。
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!!ネタバレ注意!!

筋トレを欠かさない公務員志望のラガーマン「私」は、政治家を目指している麻衣子がいながら地方から出て来たばかりの灯に恋をしてしまう。
2人の女性を行き来するいびつなキャンパスライフはすべてが順調。
だがそれは、破局への第一歩だった。

直木賞受賞作品(新進・中堅作家によるエンターテイメント作品)

『少年と犬』馳 星周/文藝春秋

1996年「不夜城」でデビューした、“ノワール小説”の名手で、今回7回目のノミネートで直木賞受賞。
東日本大震災で一匹の犬が何かを求めるように日本を縦断する物語。
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!!ネタバレ注意!!

2011年秋、仙台で仕事を失った中垣和正は、認知症の母と母を介護する姉の生活を支える為に犯罪まがいの仕事をしていた。
ある日、和正は仕事の途中でコンビニの前を歩く痩せた野良犬と出逢う。
その首輪に書かれていた名前は、「多聞」。
なぜか不思議な縁を感じ多聞を飼う事にした直後、ギャラはいいが危険な仕事の依頼が舞い込む。
外国人窃盗団の運転手。
お金の為には引き受けるしかない。
そして、決行の日、多聞を連れて行くと不思議と仕事は滞りなくできた。
守り神のようにいつもそばにいてくれた多聞。
しかし、その視線は和正ではなく、ずつと南の方角を見ていた。
そこから、窃盗団が盗みを働くたびに運転手を務めるが、これが最後と決めた日に事件が起こる。
「死にたくなかったら車を走らせろ」
仙台をあとにした多聞は南を目指すが、その道中で傷つき悩む孤独な人々に寄り添う。
富山で拾われたさきは、関係性が壊れかけた若い夫婦。
滋賀で出会ったのは男に貢ぐことに疲れた女性。
そして、島根では余命わずかな猟師に寄り添う。
言葉は発せずともそばに座り、出会う人々を暖かくさせてくれた。
人という愚かな種のために、神様だか仏様だかが遣わしてくれた生き物なのだ。
一匹の犬がもたらした絆と奇跡。
最後にたどり着いた真実は大きな感動を与えてくれる作品です。

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